ひいなのまつり
んーーー、ばっ! ゆのたんがひなあられに手を突っ込んで。
んーーー、でちっちゃな手にいっぱいひなあられをつかんで腕を引く。
ばっ! で口を開け、ひなあられを食べる、というひとり遊びを。
さっきからずっとしていて。
僕はその様子を気にしながらちらし寿司を作ってる。
ユノはゆのたんを膝の上に、テレビをぼーっと見ている。
ひな祭りは女の子のお祝いだけど。
ゆのたんが近所の女の子、正確には女の子のお母さんからひなあられをもらってきて。
「あらーゆのちゃんいつもかわいいわねー」
「ゆのたんー!」
「そうそうゆのたんね、ゆのたん、ひなあられ食べる?」
「食べましゅー!」
「あ、すみません、ゆのたんそれはひなこちゃんの」
「えー! ひなちゃんのー?」
「そうですよ、ひなこちゃんのだから、すみませんお気遣いなく」
「いいんですよチャンミンさん、ひなこの分はありますから」
「茶様ぁ、ゆのたんもひなあられ食べたいでしゅ!」
「そうよねえ、男の子だってひなあられ食べたいわよねえ、どうぞゆのたん」
「わあーい!」
「すみません本当に、ありがとうございます」
そんなやりとりのあとユノがさらっとやってきて。
「お! ゆのたん、そのひなあられどうした?」
「あらーユンホさんおひさしぶりー」
「あ、こんにちは」
「おっきいゆのたんなのー!」
「そうねそうね、まあーホントお久しぶりねえ・・・相変わらず素敵!」
「ひなこちゃんのママもお綺麗ですよ」
「んまあーユンホさんったら」
なんてやりとりが延々続きそうだったんでなんとか切り上げさせて家に連れて帰る。
ちっちゃいゆのたんと、おっきいゆのたん。どっちも僕のだから。
たまにはちらし寿司が食べたいなーってユノが言うから。
お寿司ならお吸い物だな、ってことになって気づけばひな祭り仕様。
おまけにひなあられをいただくなんて想定外。でもまあ、ゆのたんが喜んでるなら、いいか。
そのうちゆのたんはユノの口に、ばっ! をやりだして。
ユノは笑いながらひなあられを食べている。
いっといで。ユノの一言で、ゆのたんが僕の足元にきた。
「茶様ぁ、ひなあられ、食べましょ?」
「ありがとうございます。じゃあ、ばっ、してください」
ゆのたんの目の前にしゃがみこむと。
ゆのたんは残り少ないひなあられの袋に手を突っ込んで、んーーー、をやりだした。
僕の口の上で、その小さな手を広げて。
ばっ! 僕の口の中に、たくさんの甘い味が溶けて広がる。
おいしいね、ゆのたん。はいっ! 茶様。
ゆのたんの元気なお返事に、ふわりと癒される。
ゆのたんをいいこいいこしたら、茶様、いいこ、いいこ! って、頭を撫でてくれた。
ユノはソファに座ったままそんな僕たちを見ながら微笑んでる。
僕は、今すぐ。
あなたの隣に座って、あなたを抱きしめたい。
ゆのたんはあなたの膝の上に、座るんだろう。
*****
少し、うとうとしてた。
目が覚めると、桃の花。きれいだ、と。
何気なくこぼれる笑みに、あなたを思い出す。
元気で、いますか。
僕は元気です。
愛して、いますか。今も変わらず、僕を。
あなたを、愛しています。
んーーー、でちっちゃな手にいっぱいひなあられをつかんで腕を引く。
ばっ! で口を開け、ひなあられを食べる、というひとり遊びを。
さっきからずっとしていて。
僕はその様子を気にしながらちらし寿司を作ってる。
ユノはゆのたんを膝の上に、テレビをぼーっと見ている。
ひな祭りは女の子のお祝いだけど。
ゆのたんが近所の女の子、正確には女の子のお母さんからひなあられをもらってきて。
「あらーゆのちゃんいつもかわいいわねー」
「ゆのたんー!」
「そうそうゆのたんね、ゆのたん、ひなあられ食べる?」
「食べましゅー!」
「あ、すみません、ゆのたんそれはひなこちゃんの」
「えー! ひなちゃんのー?」
「そうですよ、ひなこちゃんのだから、すみませんお気遣いなく」
「いいんですよチャンミンさん、ひなこの分はありますから」
「茶様ぁ、ゆのたんもひなあられ食べたいでしゅ!」
「そうよねえ、男の子だってひなあられ食べたいわよねえ、どうぞゆのたん」
「わあーい!」
「すみません本当に、ありがとうございます」
そんなやりとりのあとユノがさらっとやってきて。
「お! ゆのたん、そのひなあられどうした?」
「あらーユンホさんおひさしぶりー」
「あ、こんにちは」
「おっきいゆのたんなのー!」
「そうねそうね、まあーホントお久しぶりねえ・・・相変わらず素敵!」
「ひなこちゃんのママもお綺麗ですよ」
「んまあーユンホさんったら」
なんてやりとりが延々続きそうだったんでなんとか切り上げさせて家に連れて帰る。
ちっちゃいゆのたんと、おっきいゆのたん。どっちも僕のだから。
たまにはちらし寿司が食べたいなーってユノが言うから。
お寿司ならお吸い物だな、ってことになって気づけばひな祭り仕様。
おまけにひなあられをいただくなんて想定外。でもまあ、ゆのたんが喜んでるなら、いいか。
そのうちゆのたんはユノの口に、ばっ! をやりだして。
ユノは笑いながらひなあられを食べている。
いっといで。ユノの一言で、ゆのたんが僕の足元にきた。
「茶様ぁ、ひなあられ、食べましょ?」
「ありがとうございます。じゃあ、ばっ、してください」
ゆのたんの目の前にしゃがみこむと。
ゆのたんは残り少ないひなあられの袋に手を突っ込んで、んーーー、をやりだした。
僕の口の上で、その小さな手を広げて。
ばっ! 僕の口の中に、たくさんの甘い味が溶けて広がる。
おいしいね、ゆのたん。はいっ! 茶様。
ゆのたんの元気なお返事に、ふわりと癒される。
ゆのたんをいいこいいこしたら、茶様、いいこ、いいこ! って、頭を撫でてくれた。
ユノはソファに座ったままそんな僕たちを見ながら微笑んでる。
僕は、今すぐ。
あなたの隣に座って、あなたを抱きしめたい。
ゆのたんはあなたの膝の上に、座るんだろう。
*****
少し、うとうとしてた。
目が覚めると、桃の花。きれいだ、と。
何気なくこぼれる笑みに、あなたを思い出す。
元気で、いますか。
僕は元気です。
愛して、いますか。今も変わらず、僕を。
あなたを、愛しています。
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