Adieu 09

熱に浮かされ、あなたはひとり何事かをつぶやく。時々誰かを追いかけるように伸ばす手を、握り締めたくて。
寝言に話しかけてはいけないと聞く。睡眠の邪魔になるからだ。
それでも、あまりに何度もぶつぶつ聞こえると気になるのは確かだ。

38度を超える熱で、なぜ外で待っていたのかと思う。具合が悪くなったなら断ればいい。期待などしていない。
それでも律儀に玄関先で僕を待って、余計風邪をこじらせたあなたを、いとおしく思う。

綺麗な横顔。うっすらと頬が染まっているのも、じわりと汗ばんでいる肌も。
すべて、僕を誘う。
何度目かのうわごと。あの夜もずっと胸に残ってた、その赤い唇、小さなホクロ。
どれだけ見つめても触れられない虚しさに、部屋を出ようとすると。
ドアノブに手をかけた瞬間。
「・・・チャン、スニ・・・」
その名前に。

足が止まる。やっぱり、あなたは僕を覚えている。覚えているのに、何故。
僕を思い出さない? 悲しくてまた、彼の元へ舞い戻る。
唇だけが呪文のように動く。何を言っているかは聞き取れない。
汗ばむ肌。首筋の汗を見て、気持ちが悪いだろう、気分よく休んでもらいたいと、自分に言い聞かせて。

シャツのボタンを外していく。手が震えて、なかなか外せない。
下着が汗に濡れてしっとりと張り付いている。その体の線を、見て。
思わず目を閉じる。あの夜この胸に抱かれた。この胸は、体は、唇は、すべて姉さんのものなのだ。
僕が世界中で誰よりも愛するただひとりの姉。
姉さんのためなら僕は神の御許までこの恋を隠し通していられるだろう。

頭では、そう思っても、心がついていかない。
過呼吸気味な息をしながら、服を脱がしていく。

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mizutama

Author:mizutama
2011/10~「Why?」から「B.U.T.」で東方神起に陥落。ユノペン、ホミン派(リバOK)。
韓流、BL一切興味なしだったのがホミンの目に余るリア充ぶりにBL初挑戦。
【注意事項】
・某有名人をイメージした作品ですが、あくまでも妄想でありご本人+周辺人物とは一切関係ありません。
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・作品は個人的なものなので転載・盗用しないでください。

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