Adieu 12

ゆっくりと振り向くと、あなたは半身を起こして僕に微笑む。
「ずっと、そばにいてくれたの?」
「違い、ます。僕は、そんな」
「手を」
「・・・え?」
「握っててくれたんだね。ありがとう」

その言葉に、思わず凍りつく。
何も言えずに、部屋を飛び出した。

あんなに優しい顔で、言われたら。
今すぐあなたの目の前で「チャンスニ」になっても、いい。
そんな馬鹿げたことを思いながらため息をつく。

朝食を作りながら、あなたの優しい笑顔がちらついて。
なんて馬鹿なことをしたんだろう。
僕が手を握り締めたまま寝ていることにいつ気付いたのか。
あなたの手に頬ずりしたことまで、もし、気付いていたとしたら。
恥ずかしくて、悔しくてたまらない。
あれだけ避けて、そのせいで風邪をこじらせておきながらあんなことを。

物音に気付く。ユノが、ベッドから降りてきた。僕が着せたバスローブをまとって。
結び方がヘタで、襟元が妙にはだけて。
目のやり場に困る。
「ホントにありがとう。おかげでよくなった」
「・・・倒れられたら困りますから、ご飯、食べてってください」
「いいよ、これ以上迷惑・・・」
「言ったでしょう? 僕のせいであなたが風邪をこじらせたなんて姉さんが知ったら、叱られます。
 大人しく言うことを聞いてください。今日は、お休みですよね?」
「あ、ああ・・・、そう、だけど」
「ちょっと失礼します」
襟元をきっちり直して、前がはだけられない程度に紐を緩めて整えなおし、紐を結んでやる。
あなたに触れるだけで緊張するのに、一切気にしてない、振りで。
「そこ、座っててください。すぐ出来ます」
「ホント・・・面目ない。手の掛かるヒョンで、ごめんね」

何気ないあなたの一言が。
僕の心臓を抉る。

あなたは姉さんの恋人だ。・・・でも。

僕の、ヒョンじゃない。


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テーマ : 東方神起
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mizutama

Author:mizutama
2011/10~「Why?」から「B.U.T.」で東方神起に陥落。ユノペン、ホミン派(リバOK)。
韓流、BL一切興味なしだったのがホミンの目に余るリア充ぶりにBL初挑戦。
【注意事項】
・某有名人をイメージした作品ですが、あくまでも妄想でありご本人+周辺人物とは一切関係ありません。
・使用されている画像等の著作権は著作権元にあります。
・作品は個人的なものなので転載・盗用しないでください。

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