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Adieu 30

捨ててしまおうか。思ったけれど。
この指環、なんだろう。そういえば姉さんが前に言っていた。
僕が子供の頃、プロポーズをされたことがあると。

「そうね、私とはぐれてるときの話だったから・・・詳しくは分からないんだけど。
 少し年上のお兄さんからもらったみたいよ。昔住んでた町でね」
「そう・・・なんだ」
「どこかで聞いたような覚えがあるのよね、その話。もちろん、チャンミンのこと以外でね。どこだったかしら」
 
そのときの記憶を思い出そうと、僕はずっとその指環を入れ物から出して机の上に飾っておいた。
もちろんそれだけのことで思い出せるはずもない。実家へ行って当時の写真を見たりもした。
ふたりして女の子の格好をしている写真が何枚もある。その中に1枚だけ、薬指に指輪をした写真を見つけた。
「母さん、これ・・・いつの?」
「そうねえ、あなたが6歳のころかしら。まだ前の家に住んでいた時ね。
 お姉ちゃんが友達と話している間に、あなたがどこかへ行っちゃってたんですって」
「遊園地?」
「そうね、遊園地。ここに観覧車が見えるでしょう? 覚えてる?」
「なんと・・・なく」
「風船が飛ばされたんですって。知らないお兄ちゃんが風船を取ってくれて、一緒に探してくれたって言ってたわ」
遊園地。風船。一緒に探してくれたお兄ちゃん。
「この指環は?」
「お兄ちゃんにもらったって言ってたわよ。そのお兄ちゃんもご家族と来ていたみたいでね。
 あなたを私たちのところへ連れてきてくれたら、すぐにご家族のところへ戻ってしまったの。
 だから名前も聞けなかったし、顔もあまり覚えていないの」
「もらった・・・んだ」
「テヒがあとで聞いたらね、チャンミン、その男の子に大きくなったら僕のお嫁さんになってくださいって言われたって。
 なんだか申し訳なく思っちゃったわ」

思い出したい。その記憶を。思い出しても何が変わるわけじゃないけれど。
こんな入れ物に大事に取っておいたなら、僕にとってとても大切な思い出だったはずだ。
それが子供時代のなんてことない約束でも。
あの一番大切な思い出と一緒に、僕の心に残っているはずだから。

思い出したい。願いを込めて、指環をハンカチにくるむ。
枕元において、夢を見られるか試すなんて少女趣味だけど。

信じてみたいんだ。思い出して、その思い出がたわいないものならば。
あの入れ物ごと、指環もメモも記憶も捨ててしまおう。


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テーマ : 東方神起
ジャンル : アイドル・芸能

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やっぱりーー!!

笑顔の可愛いあの子=チャンミンなんだろうって、、その話が出てからずっと思ってました!!

・・・もぅ・・・素直になって下さいよ。3人とも。
頑張る咆哮(方向と入力したら最初の変換がこれtってどうなの??)が間違ってると思うよ。。。

・・・あぁ。続きも楽しみにしてます。(ドリームの更新もありがとうございます。実は楽しみにしてるんですよ)



所属:Bigeast/ビギシャル

mizutama

Author:mizutama
2011/10~「Why?」から「B.U.T.」で東方神起に陥落。ユノペン、ホミン派(リバOK)。
韓流、BL一切興味なしだったのがホミンの目に余るリア充ぶりにBL初挑戦。
【注意事項】
・某有名人をイメージした作品ですが、あくまでも妄想でありご本人+周辺人物とは一切関係ありません。
・使用されている画像等の著作権は著作権元にあります。
・作品は個人的なものなので転載・盗用しないでください。

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