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子鹿が僕を守ります。 07

慣れたといえば慣れたこの生活。
何不自由なく、そして不自由ばかりの毎日の中で。
もし、恋人でもいれば、気分が変わるのかなって、同室のヤツが言ってた。
俺はヒョンだけど、ここでは同期で、対等。

年功序列だけが正しいというわけではない。
ただ、ここではこの世界での年功序列だ。だから。
俺より年下の人間に命令されても、大人しく従うのみ。
昔ほど大変なことはないと、すでに除隊した友達に言われているけど。

やっぱり、時々。納得できないこともある。
それもすべてイエスと答えなければならない。
ここでは通用しても、世間では通用しないだろう。腹で思っても。
それはあくまでも思うだけ。口には出せない。
楽しい事もあるんだ。本当にちょっとしたこと。
苦しい訓練を仲間と乗り越えた後、口に含む一杯の水とか。

自然を感じながら生きることは。
今まであまりなかったかもしれない。
時間に追われる毎日。本当にやりたいことだけできていたかと言われたら。
そうじゃないかも、しれないけれど。

たぶん。土にまみれながら。
俺は。正しい角度の敬礼をしながら。
思う。夢の世界である、あのステージが恋しい。
いきなり日本に放り込まれた時のよう。
言葉には、態度には出せなくても、いつでも故郷が恋しかった。

その、絵を。
指が自然に描きだして止まる。
今、お前を思い出したら、気が狂いそうだ。

ヒョン、あなたの家は。
ここです。自分の胸を叩いて。
俺のここが、あなたの、家なんです。・・・だから。

迷わずにちゃんと、戻れますね? 確認じゃなく、確定な言い方をする、お前が。
いとしくて、ひとり、微笑む。



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ジャンル : アイドル・芸能

子鹿が僕を守ります。 06

もう一週間、まだ一週間、だ。
俺のドラマはもうじき終わるだろう。
お前のドラマはまだこれからだな。

早寝、早起き、規則正しい生活に、厳しい規律。
食べたいとき食べて、食べたいものを食べるなんて当たり前の生活が。
どれだけ贅沢だったか。
身をもって知ったよ。

この10年、できなかった当たり前の「ふつう」の生活。
特殊な職業ではない、生活。
ここは韓国の成人男子なら誰もが通る場所。
そういう意味では、特別じゃない。

ここでの生活は、そう悪くはない。苦しいことが多いけど。
同じ環境で過ごす仲間たち。俺はやっぱり仲間って言葉が好きだ。
男だらけの生活は、それはそれで気が休まるんだ。
ガキみたいな、ちょっとしたことが。
単純な刺激につながったり、して。

なあ、チャンミン。俺はいずれ。
お前の絵を描かなくなる日がくるんだろうな。
その頃には、休暇も取れるだろう。お前とは多分会えないけど。
俺がここに入ってからのお前の情報なら、腐るほど溜まってると、思う。

それを見て、また。
お前の絵を思い出す。お前といた日々を思い出す。
再び歩き出すために、お前がくれた光を思い出す。
涙しないように、心で涙しながら。
会いたいと、切なく願うんだろうな。

なあ、チャンミン。宙に絵を描く。お前は俺の子供じゃないけど。
出会ったときから、俺にとってお前は、ずっと守りたいかわいいマンネ。
かわいい、子鹿。



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子鹿が僕を守ります。 05

もうお前は、撮影に戻ったかな。

二日目をどんな風に過ごしたかは知らない。
俗世のことを忘れて任務に没頭する、そのためにはすべてを排除して過ごさなければならない。
もちろん、一日二日でこれまでの日々を忘れられるはずはないけれど。
昨日今日の世俗を思うことはなるべくしたくない。

考えたらきりがない。だから本当はあんまり考えたくないけれど。
愛しい人のことを、どうして考えずにいられるだろう。
きっと泣いていたはずだ。俺が隣にいたなら、抱きしめてあげるのに。

会社の方針が主とはいえ、お前は今が一番いい時期で。
肉体改造を含め、スタミナも増したし、パフォーマンスもしっかり決められるようになった。
ファンサービスでさえ恥ずかしがっていたお前が。
今では自ら過剰なまでのサービスをする。

指が勝手に絵を描く。

俺のかわいい子鹿は、いつの間にか大人になって。
俺の庇護を必要としなくなった。
いつまでも守っているつもりで、時に守られ、支えられ、ずっとふたりで。
寄り添ってきたんだ。

離れられるかよ、今さら。

どうしてと問うことはできない。当たり前の、ことだから。
その当たり前がなければこの国の男たちは体を鍛え男であることを誇示するような生き方をしただろうか?
鍛えた体を晒すこと。その先にあるのは、そうしてこそ使い物になる戦いの道具。

それでも、俺は。
この国に生まれたことを誇りに思う。
生きることは常に挑戦の連続で、それはある意味戦いに似ている。

欲望を満たすための戦争は望まない。ただ、この国を守るためだけに。
指先が覚える愛しい人を守るためだけに、俺は。

眠りにつく。神様への祈りとともに。
毎晩、チャンミン、お前の名前を囁く。



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子鹿が僕を守ります。 04

昨夜は、お前のラストステージ1日目。
お前ひとりに、重荷を背負わせてごめん。

時期が許せば、最後まで一緒にステージを務め上げることができた。
本当なら。
だけど、一足先に入隊が決まって、これ以上は延ばせなかった。

俺は、ここで。
元気にやっているよ。真夏の入隊、大変な部隊。
今までの自由はすべて奪われて、上官の命令に従い、軍の規則に従い。
何一つ自分で自由にすることはできない。
でも、共同生活は少し、楽しいような気がする。

いつも誰かに見られながら暮らしていたあの日々。
今は。
限られた人数の中で暮らしてる。それはそれでとても心地いい。
昔に戻ったみたいだ。まだデビューなんか夢のまた夢だったころ。
学校へ行く前も帰ってからもひたすら練習に励んだ。
夢を食べなければ生きていけないくらいに。

俺が、いつも。
「何書いてるんですか?」
シカの絵を描いているから。
「ん? ああ、おまじないみたいなもんかな」
「おまじない?」
「うん。俺をずっと守ってきてくれた存在なんだ」
「存在」
「うん。神様みたいなもんかな」
「神様ですか」
「すごくかわいいんだけどね。俺にとっては、たったひとりの神様だよ」

な、チャンミン。
今頃お前は一人で頑張ってる。
俺が眠りにつく頃、お前は友達と一緒に、口にいっぱいご飯をほおばっているんだろう。
ウナギも、食べたかな。

目を閉じる。

赤い海の中で泣き笑いしてるお前が、見える。


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子鹿が僕を守ります。 03

今までだって仕事で早起きしてたし、今はまだ勉強の段階だから。
特別つらくはない。今はちゃんとベッドで寝起きしてるけど、昔はそれすらもできないで頑張ってた時期があった。
そう考えれば、寝起きどころかすべてを管理されているとはいえ、朝起きて夜寝る生活を送れるのは、自分の体のためにはいいかもしれない。

会社へ行っていつも決まった仕事をしていたわけじゃない。
年をとるごとに責任のある仕事を任されていたわけでもない。
後輩ができても、それはただの後輩で、同じ土俵で勝負するライバルが増えるだけのこと。
そう思えばこそ、なれ合いを避け、距離をとってきたところがあると思う。

四角い枠の中の世界でだけ生きていればいいわけじゃなかったから。
友達の店の手伝いをしたり、一般人としての生活にも触れてみた。
仕事が特殊であればあるほど、普通の感覚を忘れてはいけないと思ったからだ。

ここへきて改めて、これがふつうなんだと。
ごく一般的な韓国成人男性の務め。この国はまだ、戦争は終わっていない。
不景気で、志願者も多いという。ぎりぎりまで延ばし延ばしできた俺と。
一日も早くと入隊してきた、仲間たち。

眠るとき、何も抱きしめるものがなくて。
仕方なく布団を丸めて抱きしめる。今時期は布団もいらない。
おなかが冷えやすいから、おなかだけ守ればいい。
大丈夫、俺の大事な場所には子鹿がいる。
俺を守ってくれているから、きっとおなかも冷えない。

俺は、寂しいけど。
チャンミン、お前はどうかな。
仕事が忙しくて、それどころじゃないだろ?
いい役をもらえて、よかったな。

目を閉じて、夢の中でも、俺は。
壁や布団やまくら、そこら中にシカの絵を描いていて(もちろんエアーで)。
そうか、これなら夢じゃなくても実際にできる。
起床時間より少し早く目覚めた俺は、まず空中にシカの絵を描いた。


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子鹿が僕を守ります。 02

頭の中で何度も、チャンミンの。
俺より少し小さく骨ばった手を想像した。
その手で何度もシカの絵を描いて、僕はこれですよ、お目目がポイントですからね、って。
・・・目がポイントなら体のデカさ関係なくないか? と思いながら。

シャワー浴びて、下着を身に着けて。
思わず、見る。たるんだ腹。これからここでどんどん引き締まっていくはずだ。
その、下。でかでかと書かれた名前。
俺はここではユノ・ユノではなく、チョン・ユンホ。
チャンミンが俺を守ってる。
エアーシカがかわいいお目目で俺を見ている。

ヒョン、頑張ってる?
ヒョン、頑張ってね。
僕も頑張るから。いつものあの上目遣いで。
いつからか俺の背を抜かしたくせに。
甘えるときはいつも下から俺を見てた。得意の猫背を、さらに丸めて。

筋力がついてからはそんなに背中も丸めなくなった。
昔は自分の華奢な体を寂しそうに見比べてたっけ。
今じゃお前のほうが、男の体を手に入れてたな。
それでも、俺の太ももと肩幅だけは羨ましがってた。

「あの・・・」
「ん?」
「どうして・・・その・・・」
同室の仲間に、声をかけられて。
変なことをしてる意識はないけど、なんだろう。
「さっきからずっと、自分の股間見てるんですか?」

・・・うーん・・・その質問には答えづらい・・・。
気のせいだよ、気のせい。答えながら。

だって俺のここにはかわいい子鹿ちゃんがいるんだからな。


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子鹿が僕を守ります。

あの中ヘは。
何も持ち込めない。だからチャンミンが、俺に何度も言った。

僕がこの絵を描きますから、ちゃんと覚えておいて。
中に入ったら、この絵を、まあ・・・描けないとは思うんですけど、あそこに描いておいてくださいね。
いつも僕があなたを守りますから。

言って、何度もシカの絵を描いた。
正直、俺もチャンミンも、さほど絵はうまくない。
それでもチャンミンが俺のために、自分と称される子鹿の絵を何度も描いた。
その絵を、俺にトレースさせて覚えるように言ったのだ。

身体検査を受けた。
もろもろヤバい痕跡はあったんだろうけど、見逃してもらったのだと思う。
身に着けていたものはすべて送り返されて。
支給された服を身に着ける。

下着から靴下から、すべて自分の名前を書く。
だけど一番に俺がしたことは。

初めて履くその下着の股間の部分に。

「あの、名前の代わりに絵を描いてもよろしいでしょうか?」
優しそうな上官が困り顔で言う。
「あー・・・さすがにそれは・・・。サイですか? あの有名な」
「いえっ! あの、シカです!」
「・・・シカ?」
「はい、鹿。バンビ」
言うと、上官はハッとしたような顔をしてから、ああー、と天を仰ぐ。
「ええと・・・お気持ちはわかりますけど・・・あのー・・・エアーでお願いします」
「エアーで」
「はい、エアーで」

仕方なく俺は、チャンミンから託された子鹿のイラストを。
すべてのパンツにエアーで入魂した。

もちろん、実際には全部のパンツに、大きく自分の名前を書いた。
名前なんか書かなくても。

お前のパンツと履き間違えたりしないのにな、って思いながら。









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思い出したように短編になるかと思いますが、お友達の実話より
ネタとさせていただき、エアー子鹿がユノの貞操を守るお話を書こうと思います・・・!
素晴らしいネタ提供感謝でございます!

唯一持ち込みできるとされる時計は家族が渡すものらしいですし
さすがに何も持ち込めないからこそ
チャンミン、自分の分身をユノに教え込ませましたw

ブリーフですよね、やっぱり・・・!
ぴちっとしてないと動くの大変そうだし。
さすがに白ではなさそうだけど、白ブリーフの股間に燦然と輝く子鹿。
見てみたいものです。



テーマ : 東方神起
ジャンル : アイドル・芸能

所属:Bigeast/ビギシャル

mizutama

Author:mizutama
2011/10~「Why?」から「B.U.T.」で東方神起に陥落。ユノペン、ホミン派(リバOK)。
韓流、BL一切興味なしだったのがホミンの目に余るリア充ぶりにBL初挑戦。
【注意事項】
・某有名人をイメージした作品ですが、あくまでも妄想でありご本人+周辺人物とは一切関係ありません。
・使用されている画像等の著作権は著作権元にあります。
・作品は個人的なものなので転載・盗用しないでください。

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